書店クラファン、「ファウスト系」、庭プロジェクトなど|ecg.mag #22

ecgの太田です。
特記事項はとくにないので、いつも通りやっていきたいと思います。ecgメンバー3名からの事例紹介をおたのしみください。
🌐今月のトピック紹介
編集者の小池真幸さんが書店を開くためのクラファンに挑戦中。そのオープン予定地が東横線の白楽駅らしく、沿線でもかなり横浜寄りの駅です。じつはじぶんはその隣の駅である妙蓮寺に住んでいるので、応援したくなる。クラファンのほうは開始3日間で目標金額に到達したようなのでめでたいかぎりですが、ネクストゴールも設定されて継続中となっています。
小池さんは「制作記」と題してnoteに書店オープンの準備について連載的に記録をつけている。初回の記事にも登場する不動産屋の「松栄」は、白楽・妙蓮寺エリアに住む人々にとってけっこう興味深い存在に写っているんじゃないかと思う。独立系書店としては老舗の部類であろう「生活綴方」に関わっていたり、妙蓮寺駅前の駐車スペースに日替わりのフードトラックを出す運営をしていたりするようです。(太田)
タイトルのとおりビデオゲームやデジタル表現がフィーチャーされた展覧会。細かいレビューは各種の美術媒体で読めるでしょうし、Tokyo Art Beatにもインディゲームのジャンルで著述をおこなっている葛西祝さんが長文のレビューを寄せています。個人的にはインスタレーションアートの一環でビデオゲーム的な表現やゲームエンジンが美術館にもちこまれているという見方をしました。多くの作品がけっこう似通った構成になっているのも興味深い。批判的な問題意識に基づく世界観の構築がまずあり、それを掘り下げるためのリサーチがあり、プロセスと世界観を表現する小道具がいろいろな媒体を用いて制作されており、それらすべてがインストールされている、というような。(太田)
ゼロ年代に講談社から出ていた文芸誌『ファウスト』が、東アジア、特に華文世界(中国語圏)のオタクカルチャーに与えた影響を探る同人誌。出版の背景には、2021年に刊行された角川の社史『KADOKAWAのメディアミックス全史──サブカルチャーの創造と発展』において、同誌の重要性が無視されていることがあるという。絶対買います。ちなみに、最近は文フリっぽい同人誌のなかでも、アジアのなかにおける日本の文化を考えるものが少し出てきている。昨日届いた『Padograph雑誌 第1号 特集:周縁から内在へ アジア現代美術』もそのひとつで、ベトナムのアートシーンについての記事が面白かった。(瀬下)
先月末、宇野常寛さんの主催する「庭プロジェクト」から、藤沢市および鎌倉市への提案書が公開された。前提として、2032年頃にJR東海道線の大船駅と藤沢駅の間に新駅が設置されることが決定していて、その周辺も再開発される計画がある。実は自分の実家はこの新駅が最寄駅になるエリアにあり、中学から大学院卒業までそこで過ごし、コロナ禍でまた戻って数年住んでいたこともあって、この開発には強く関心がある。
そもそも鎌倉市には老朽化した市庁舎の移転問題があり、新庁舎の移転先候補となっている深沢地区がこの再開発と関わる形になっている。今は移転先はほぼ決定しているものの、移転そのものの賛否が拮抗していてまだ最終決定には至っていないという状態。当然、市庁舎移転が確定しない限りは開発の具体的な内容も定まらないため、現時点では新駅周辺(村岡地区)や隣接する深沢地区がどのように開発されるかは、少なくとも公式には未定のままになっている。なので今回の提案書も具体的な開発内容への提案・批判というよりは概略的な提案にとどまっているものの、そこはむしろ今後が楽しみだなという感想を持った。提案自体には納得できる部分がある一方、前提となる地域の捉え方にズレを感じる部分も多々あり、「地域住民」ってこういう気持ちなのかあと感じて面白かった。この開発は自分にとってはわりと重要なトピックなので、庭プロジェクトの提案は今後もチェックしていきたい。(松本)
GeoGuesserの言語版ともいえるLanguage Guessr。言語学オリンピックの音バージョンという感じでおもしろい。ざっくりの地域ぐらいは当てられるようになりたいよなーと思った。(松本)
🔗オマケ
売野機子『ありす、宇宙までも』(松本)
特殊詐欺に全財産もってかれたレポ(松本)
📒編集後記
ここに入りきらなかったURLを貼ったり、ゲーム制作の進捗を報告したりするDiscordをやっています。気になる方はコチラからぜひ覗いてみてください。(瀬下)
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